夏の水遊び後に起きた日焼けによるやけどの対処法

夏に海や川、プールで夢中になって遊んでいると、紫外線対策を忘れてしまいがちです。
その結果、肌が赤くほてってヒリヒリする「日焼け(sunburn)」になる人も少なくありません。米国皮膚科学会(AAD)の調査によると、アメリカの成人のおよそ3人に1人が、毎年少なくとも1回は日焼けを経験しているとされるほど、身近な皮膚の損傷です。
今回は、日焼けをしてしまったときに、応急処置から症状の緩和、治療まで、段階に応じてどのように対処すればよいのかを、資料をもとにまとめました。
1. 日焼けはなぜ起こる?どんな症状が出るの?
日焼けは、紫外線(UV)を浴びすぎることで皮膚の細胞が損傷し、炎症反応が起こるものです。
興味深いのは、紫外線を浴びた直後にすぐ症状を感じるとは限らないことです。
通常は、紫外線を浴びてから約4時間後に症状が現れ始め、24~36時間後に最も強くなります。その後、3~5日ほどかけて徐々に落ち着いていきます。
痛みは、紫外線を浴びてから6~48時間の間に最も強くなることが多いとされています。
主な症状
- 肌が赤くなり、触ると熱くて痛い
- 肌が腫れたり、つっぱったりする
- ひどい場合は水ぶくれができる
- 頭痛、微熱、吐き気、疲労感を伴うことがある
症状による分類
- 軽症(1度のやけどに近い):軽い赤みとヒリヒリ感があり、水ぶくれはない。多くは自宅で対処できる
- 中等症~重症(2度のやけどに近い):強い赤みや腫れ、水ぶくれが生じる。感染のリスクがあるため、より丁寧なケアが必要
水ぶくれができても、自分でつぶさないことが大切です。水ぶくれは、皮膚を感染から守る自然なバリアの役割を果たしているため、つぶすと細菌感染のリスクが高まります。

2. 応急処置――日焼けに気づいた直後にすること
日焼けに気づいたら、次の手順でできるだけ早く対処しましょう。
① 紫外線を避ける まずは日陰や屋内へ移動し、これ以上紫外線を浴びないようにします。すでにダメージを受けた肌に紫外線が加わると、症状がさらに悪化する可能性があります。
② 肌を冷やす 清潔なタオルを冷水で濡らして患部に当てるか、ぬるめの涼しい水でシャワーや入浴をします。氷を直接肌に当てるのは避け、氷をタオルで包むか、冷たい濡れタオルを1日に数回、1回10~20分ほど当てるとよいでしょう。
入浴時に少量(約60g)の重曹を加える方法を紹介している資料もあります。ただし、これは標準的な皮膚科の診療指針に含まれる方法ではなく、効果を裏付ける根拠も限られているため、あくまで参考程度にとどめてください。
③ 洗うときは石けんを避ける やけどした部分は石けんを使わず、水だけで流すほうが刺激を抑えられます。
④ 水分を補給する 日焼けをすると、体内の水分が皮膚の表面に集まり、脱水のリスクが高まります。普段より多めに水分をとり、脱水を防ぎましょう。
3. 痛みや不快感を和らげる方法
鎮痛薬を服用する イブプロフェン(ブルフェンやイブシリーズなど)やアセトアミノフェン(タイレノール、コルペン、ファイツーベン、パンコールなど)といった市販の鎮痛薬を、できるだけ早く服用すると、痛みや炎症の軽減に役立ちます。
保湿する シャワーや入浴の後、肌がまだ湿っているうちに、アロエベラや大豆(soy)成分を含む保湿剤を塗ると、肌を落ち着かせる効果が期待できます。
ただし、アロエベラの実際の効果については、研究結果が分かれている点にも注意が必要です。
セラミドやヒアルロン酸を配合した保湿剤も、肌のバリア機能の回復に役立つ可能性があります。一方、アルコールを含むローションは肌をさらに乾燥させることがあるため、避けたほうがよいでしょう。
低刺激のステロイドクリーム 軽症から中等症のやけどであれば、市販薬の1%ヒドロコルチゾンクリームを、1日3回、3日ほど塗ってもよいとされています。
冷蔵庫で保管してから塗ると、ひんやりした感覚が加わり、楽になることがあります。ただし、すぐに痛みを和らげる効果については根拠が限られているという指摘もあります。万能な解決策と考えず、補助的に使うとよいでしょう。
注意したい成分 ベンゾカインなど「-カイン(caine)」系の成分を含む局所麻酔薬は、皮膚への刺激やアレルギー反応を起こすことがあるため、使用を避けることが推奨されています。
ゆったりした柔らかい服を着る 患部に摩擦が起きないよう、風通しのよいゆったりした服を着ることも、痛みの軽減に役立ちます。

4. 治療法――回復の経過と受診の目安
日焼けの多くは、特別な治療をしなくても3~5日ほどで自然に改善します。紫外線を浴びてから3~8日ほどで皮膚の皮がむけ始め、その過程を経て回復していきます。この時期は、皮膚を無理にむしらず、自然にはがれるのを待ちましょう。
水ぶくれができた場合は、2度のやけどに相当する可能性があるため、より慎重なケアが必要です。水ぶくれを無理につぶさず、感染のサイン(液が出る、膿が出る、強い赤み)がないか確認してください。
次のような場合は、すぐに医療機関を受診してください。
- 体温が39.4度(103°F)を超え、嘔吐を伴う場合
- 感染のサイン(膿が出る、強く腫れる、熱感が広がるなど)がある場合
- 重い脱水症状(めまい、失神しそうな感じ)がある場合
- 肌が冷たく湿っぽくなり、めまいや失神の兆候がある場合
- 水ぶくれが体の広い範囲を覆っている場合
これらの症状は、単なる日焼けではなく、熱疲労や感染症など、より深刻な状態を示している可能性があります。自宅での対処だけで済ませず、専門医の診察を受けることが安全です。
5. 予防が何より大切
日焼けは一度きりの問題ではありません。繰り返すほど肌の老化や皮膚がんのリスクを高める、蓄積性のダメージであることも覚えておきましょう。次に水遊びへ出かける前に、以下のポイントを確認してください。
- SPF30以上の広範囲(broad-spectrum)対応の日焼け止めを、露出する肌全体に塗る
- 2時間おきに塗り直し、水遊びの後や汗をたくさんかいた後は、さらにこまめに塗り直す
- 日差しが強い正午前後は、日陰で過ごす
- つばの広い帽子、長袖の服、UVカットサングラスを活用する

よくある質問(FAQ)
Q1. 日焼けはどのくらいで治りますか? 軽症から中等症の日焼けであれば、ほとんどの場合、3~5日ほどで痛みや赤みが落ち着きます。ただし、紫外線を浴びてから3~8日ほどは皮膚がむけることがあり、症状がひどい場合は完全に回復するまで1~2週間かかることもあります。
Q2. 水ぶくれをつぶしても大丈夫ですか? いいえ。水ぶくれは、その下の皮膚を細菌感染から守る役割があるため、自然に治まるまでそのままにしておくのがよいでしょう。水ぶくれが広範囲にできた場合や、自然につぶれて液が出てきた場合は、患部を清潔に保ち、症状がひどければ医療機関で処置を受けると安心です。
Q3. アロエベラジェルは本当に効果がありますか? 多くの人が、ひんやりして肌が落ち着く感覚を得られるため愛用しています。しかし、実際に回復を早めるかどうかについては、研究結果が分かれています。保湿や一時的な清涼感を得るための補助的な手段と考えて使うのが適切です。
Q4. 日焼けした部分に氷を直接当ててもいいですか? 直接当てるのは避けてください。ダメージを受けた肌に氷を直接当てると、凍傷やさらなる刺激を引き起こす可能性があります。氷をタオルで包むか、冷水で濡らしたタオルを使うほうが安全です。
Q5. どんな場合に病院へ行くべきですか? 高熱(39.4度以上)と嘔吐がある場合、水ぶくれが体の広い範囲を覆っている場合、めまいや失神しそうな感じなどの脱水症状がある場合、または患部に膿や強い腫れなどの感染のサインが見られる場合は、自宅での対処だけで済ませず、すぐに医療機関を受診してください。