概要
K239チョンムーII(Chunmoo-II)は、韓国が開発したチョンムー多連装ロケットシステム(MLRS)の性能向上型だ。従来型チョンムーの射程と精度をさらに高めた、次世代の長距離精密打撃システムである。ミサイルに匹敵する精度と延伸された射程により、北朝鮮の長射程砲や戦略目標に対する攻撃能力が大幅に強化されている。
- 主な特徴
- 射程の延伸:最大200km超の精密誘導弾を運用可能
- 精密誘導能力の強化:GPSとINSを組み合わせた複合誘導方式を採用
- 高い機動性:迅速な展開と離脱が可能で、生存性を向上
- 多様な弾薬に対応:戦術状況に応じた柔軟な対応力を確保

開発の背景
北朝鮮が長距離砲戦力を増強し、周辺国もミサイル戦力を拡充するなか、韓国は従来型チョンムーの射程と精度をさらに高めた改良型が必要だと判断した。これにより長距離精密打撃能力を向上させ、戦略的な抑止力を強化することを目指した。
- 開発の経緯
- 2017年:チョンムーIIの開発計画を策定
- 2019年:性能試験を実施し、試作機を公開
- 2021年:部隊配備と量産を開始
- 現在:継続的な性能向上と海外輸出を推進
長所と短所
🔹 長所
✔ 長距離精密打撃:最大200km超の射程 ✔ 優れた精度:GPSとINSによる複合誘導で高い命中精度を実現 ✔ 高い機動性:迅速な機動と再配置が可能 ✔ 多様な弾種を選択可能:作戦状況に応じた柔軟な対応
🔻 短所
❌ 高い運用コスト:高価な誘導弾のため、コスト負担が大きい ❌ 弾薬補給の複雑さ:多様な弾薬を使用するため、補給管理の難度が上昇 防護力の弱さ:基本的な防護レベルにとどまり、被弾のリスクがある
画像出典:北朝鮮宅愛好会、 / CC BY 3.0 / Wikimedia Commons[/caption]
周辺国の多連装ロケット比較(中国・日本・北朝鮮)
| 項目 | K239チョンムーII(韓国) | PHL-16(中国) | 19式MLRS(日本) | KN-25超大型放射砲(北朝鮮) |
|---|---|---|---|---|
| 重量 | 26トン | 45トン | 20トン | 30トン(推定) |
| サイズ(全幅×全長×全高) | 2.9m × 9.7m × 3.2m | 3.2m × 12.5m × 3.6m | 2.8m × 8.5m × 3.0m | 3.0m × 10.0m × 3.3m(推定) |
| 最高速度 | 時速90km | 時速60km | 時速80km | 時速70km(推定) |
| 武装 | 239mm精密誘導ロケット | 370mm精密誘導ロケット | 227mmロケット | 600mm超大型ロケット |
| 装甲 | 基本的な防弾保護 | 一部に防弾装備を適用 | 基本的な防弾装備 | 基本的な防弾装備(推定) |
| エンジン出力 | 450馬力 | 550馬力 | 400馬力 | 450馬力(推定) |
| 優位性 | 高い精度と長距離射撃 | 強力な火力と長い射程 | 米軍との連携運用能力 | 超大型ロケットの運用と大量配備 |
主要国の多連装ロケット比較(米国・英国・ロシア・フランス)
| 項目 | M270 MLRS(米国) | GMLRS(英国) | トルネードS(ロシア) | LRU(フランス) |
|---|---|---|---|---|
| 重量 | 27トン | 28トン | 43トン | 26トン |
| サイズ(全幅×全長×全高) | 2.9m × 9.7m × 3.2m | 2.9m × 9.5m × 3.2m | 3.2m × 12.3m × 3.5m | 2.9m × 9.6m × 3.2m |
| 最高速度 | 時速64km | 時速80km | 時速60km | 時速85km |
| 武装 | 227mmロケット | 227mmロケット | 300mmロケット | 227mmロケット |
| 装甲 | 装甲車両をベースにした設計 | 装甲車両をベースにした設計 | 基本装甲+ERA | 基本的な防弾保護 |
| エンジン出力 | 500馬力 | 450馬力 | 800馬力 | 400馬力 |
| 優位性 | 米軍との統合運用、大量供給が可能 | NATOとの連携運用 | 強力な火力と長い射程 | 欧州域内での迅速な運用性 |
今後の発展方向
- 弾薬の改良:射程と精度のさらなる向上を推進
- 防護力の強化:防弾装甲やアクティブ防護システムの導入を検討
- ネットワークシステムの強化:リアルタイムの攻撃データ共有と統合戦場管理能力を向上
- 輸出の拡大:東欧・中東・東南アジア市場をさらに開拓